実際に行った人が語る「築別炭鉱」の心霊体験

自分は40代半ばになる男です。今は札幌近郊に住んでいてあの場所に近づく事もありませんが若い頃近郊の町留萌市に住んでいました。近郊とはいえ築別炭鉱までは車でも1時間半は走ります。
当時の噂ではかなり山奥にある炭鉱跡地で車が無いと行けないくらいの場所でした。そんな自然の中に廃墟群が建ち並び夜に行けば必ず霧がかかっていて真夏なのに霊気のせいなのか寒い所で気味が悪いよ！と聞いてました。
当時自分はまだ高校生で車も持ってませんでしたが夏休みという事もあり友人達とその場所に行きたい！と盛り上がってしまいました。
そして高校を中退してすでに免許取得していた友人に頼みなんとか車を出してもらい男友達5人で築別炭鉱へ向かいました。
すでに時間は深夜でしたので途中からすれ違う車も無くただただ不気味な暗い山道を走りました。
そして炭鉱に近づくにつれて噂通りの霧が出て来ました。やがて炭鉱に到着、車から少し降りてみましたが真夏なのに寒いくらい。そして霧の中にうっすら浮かび上がる廃墟を目の当たりにしてその時はあまりの不気味な光景に自分も仲間達も圧倒されその日は建物に入る事なく帰宅しました。
その話を他の友人に話したところ、俺も行きたいから連れてって！と後日また違うメンバーで行く事になりました。
そしてその日、炭鉱付近まで来たんですが前回かかっていた霧がかかっておらず2回目という事もあり少し余裕がありました。『よし、今日は入るぞ！』と誰かが言い盛り上がりました！
まず元宿舎と思わる建物に入って行きました。懐中電灯も持たず車のヘッドライトを頼りに・・
しかしそこでは何もなく意外と怖くないんじゃねーか？！とか話ながら帰りぎわに炭鉱病院の廃墟に入る事になりました。
近くに車を止め建物をヘッドライトで照らした状態で約20メートルくらい鬱蒼と生い茂る草むらを掻き分けながら歩いて進み建物の入り口付近まで来たその時でした。
先程まで出ていなかった霧が急に出て来たんです！
周りの草むらの下の方からモクモクと白い霧が発生し、瞬く間に辺りは真っ白になりました。
自分にはまるでここに入って来るな！と言わんばかりにも思えました。
この状況に全員一気に気味が悪くなり一目散に車まで走り、乗り込んですぐに発進させました。
後ろを振り返ると真っ白な霧が追いかけて来る様にも見えました。
安心したのもつかの間、同じ後部座席の友人が急に意味不明な言葉を言い出したんです。最初はふざけてるのかな？と思ってましたが知らない固有名詞やまったくよく分からない内容の事をずっと言ってました。そんな状態のまま家に送り届けたんですが後日精神病院に入院したという事を聞いてこれは尋常じゃないと思いました！
幸いにもその友人は数週間後、退院して普通の生活を取り戻す事ができました。
この入院があの日築別炭鉱に行った事との因果関係は分かりません。
ただ面白半分で行くもんじゃ無いと改めて反省しました。
それ以来あの場所に近づく事は2度と無いという事は言うまでもありません。

北海道羽幌にある築別炭砿は1970年頃にはとても栄えていた場所でした。ところが閉山の噂が流れると住民はすぐにこの街を離れます。石炭需要の低下、そして労働者の確保が難航したため炭鉱は数年後に閉鎖されました。

札幌から200km、一番近い町でも20kmは離れており、そのうえ雪の季節になると誰も立ち寄れなくなるような場所だったためけっして住みやすい環境とは言えず、住民の数は次第に減少。数年後には炭鉱周辺の住人の数は100人にも満たないほどに減ってしまいました。

2010年に北海道旅行へ行ったときに北海道在住の友人Bに誘われて私は築別炭砿を訪れることになります。Bの車に乗って向かった先は炭鉱労働者が住んでいた集合住宅。

廃墟といえば下品な落書きが定番ですが、さすがにこんなところまで訪れるような若者は少ないらしく、40年前の廃墟にしてはとても綺麗な状態でした。まだ誰かが住んでいるかもしれないと感じたほど。

私がそう感じたのは綺麗という理由の他に、人の話し声や気配を感じたからかもしれません。Bの話では労働中に亡くなった作業員の霊が出るとのことです。他にも帰る途中に必ず事故が起きるとの噂もあるのだそうです。

Bと宿泊先の旅館へ戻ったときに気づいたのですが車のタイヤについているキャップが無くなっていました。「噂ってこれのことか（笑）」とBに冗談を言ったのを覚えています。大切にしていた車だったようでBは少しショックを受けていましたが。

噂はこれで終わりだと思っていました。しかしこれはまだ始まりだったようです・・・。

北海道旅行から家に帰る途中、私は事故に巻き込まれてしまいました。駅からの帰り道、横断歩道を渡っている最中にトラックが私に向かって迫ってきました。トラックの信号無視です。

間一髪トラックを避けることはできましたが転んで足に10針も縫う怪我を負ってしまいました。運転手の話ではブレーキを踏んでも車が止まらなかったということでした。警察の調べによるとブレーキは壊れていなかったそうです。偶然かもしれませんが私は築別炭砿の噂と事故が関係していると思っています。