仕事終わりに会社仲間と飲んでたときになぜか心霊スポットの話になり、北海道で有名なビビリ神社に肝試しに行くことになりました。先輩は乗り気で私と同期はまあいいかくらいの気持ちでした。
「呪われたりしない大丈夫?」
「声が聞こえたりするみたいだよ」
「本当かな」
車内でそんな感じの会話をしつつビビリ神社に向かいました。時間はたしか深夜1時頃。
最初は軽い気持ちでしたが近づくにつれだんだん緊張感が増していき、私は正直少しビビっていました。同期も表情に余裕が無くなっていたはずです。
空き地に車を停めて怖いけど歩いていくことに。あたりは真っ暗でもうすでに相当怖かったです。帰りたかったけどノリノリの先輩の手前言い出せず。。。
しばらく歩いていくと大きな石が見えてきました。先輩いわくこの石は呪われているそうで、霊感の強い人には石に張り付いている幽霊が見えるのだとか。
先輩の解説を聞きながらようやく本堂に到着しました。
「ここで首を吊った人がいたらしい」と先輩が余計な一言。
本堂を回るとまた大きな石がありました。この石にも霊が取り憑いているといういわくがあるのだとか。
一通り散策が終わりもう帰ろうかとなっていたときに突然「ううぅぅぅ」とうめき声が聞こえてきました。ちょうど本堂の裏の石のほうからでした。
私達はお互いに顔を合わせ、車に向かって走り出しました。恐怖のあまり誰も声一つあげません。夢中で走り車に乗り込んだらすぐにエンジンをかけてその場を離れました。
全員が無言のまま近くにコンビニに車を停めてようやく先輩が口を開きました。
「声聞こえたよな?」
「絶対に聞こえた」
「人間とは思えない声だった」
実はなにか起きるかもしれないと同期はずっとスマホで動画を撮影していました。一息ついた私たちは動画でもう一度あの声を聞いてみることにしました。
しかし動画にはあの声は入っていませんでした。みんなで走り出す直前まで何度戻しても声は聞こえません。
私たち全員の聞き間違いだったのでしょうか。だんだん気持ちも落ち着いてきて先輩はコンビニ飲み物を買いにいきました。私と同期は車内に残り、風かなんかの音だったのかもしれないと話をしていました。
先輩がコンビニを出てこちらへ戻ってくると突然「うおっ」と叫び立ち止まりました。見てはいけないものを見てしまったような表情でこっちを見ていました。
私たちは車を出て「どうしたんですか」と聞くと、先輩は車のボンネットを指差しました。
ボンネットにはいくつもの手形が一つひとつハッキリと残っていました。無数の手形の中にはドロのような茶色いものやまるで血のような赤い手形もありました。
あのあとどんな会話をしたか覚えていませんが無事に家まで帰れました。今のところ呪いみたいなことも起きていません。
ただビビリ神社はやばいです。本当にそう思います。