実体験を報告。
私には文才が無いが有りの侭を書きます。
今から22年前に成る
私らの世代が普通自動車免許を取得した年の8月の上旬
先輩を含む仲間達7人で夜遊びをしていた夜の話。
上手くナンパ出来た女の子達6人と稲毛海岸でワイワイ花火をしてからカラオケBOXで散々歌った後にマッタリしていたら
女の子達の気を引く為か知らないが自称霊感持ちの仲間が怪談話を始めて盛り上った勢いでホテル江戸城へ行ってみようとの意見が出たので怖いもの見たさの肝試しをしようとの事になった。
コンビニで1人1台の懐中電灯と虫除けスプレー数本を購入してから車両2台で現地へ向かった
車は先輩のランドローバーと仲間のサーフ、
鬼ローンで購入したピカピカの新車だった。
ルートは国道16号→千葉を抜けて国道51号を→都賀→四街道→佐倉という道順だった。
現地に到着すると逆車線側に車のライトで蔦が絡まった紫色の壊れた看板が見えた
白い文字で【ホテル江戸城】と書かれていた
あの看板に近づき懐中電灯で照らし見ただけで寒気を覚えた記憶が有る。
肝試しにスポットに成っていたらしく、
ホテルに続く道は雑草が鬱蒼と生えていたが轍が出来ていたので進入出来る所まで進んで車を降りた、
私達は各々虫除けスプレーを身体に吹き掛けてから敷地内へ入った覚えが有る
何が有るか分からないのでエンジンは切らずライトはハイビームにしっぱなしにしていた。
火災が有ったのか黒く焦げた建物が有ったり草木が建物を侵食しオドロオドロしい不気味な雰囲気だったな…
暫く散策していたら隣に居た女の子の一人が明から様にガタガタ震え出して私に抱き付いて来た
可愛いし内心ラッキー♪と思ったが女の子の様子が尋常じゃ無かった
真夏とはいえ現地は草木が有り涼しい風が吹いている
その状況で物凄い汗を掻きながらガタガタ震えているんだ…
私の空気が張り詰める
私は出来るだけ優しく
「何か見たの?」と聞くと
首を横に強く振る
「じゃあ何か聞こえたの?」と聞くと私の腕に爪を立てて強くしがみつく
私は(あーコレ…ヤバイやつかも)と思い先輩に戻りましょうと促したが、
先輩は(もう少しもう少し)と聞く耳を持たない。
私はサーフの持ち主に状況を話し
先に車へ戻っている事と、頭から縦列で停めて有るからお前の車だけ出して路肩に停車して待っていると説明してからその場を後にした。
他の女の子達も心配して二人付いて来た。
車に戻り安心したのかガタガタ震えていた女の子が泣き出した
「女の人の声が私の耳元で何か言ってた!!」
その子は正に見えない恐怖を味わっていた
とりあえず車をバックさせ国道の路肩へ停車した途端にエンストした、
いくらイグニッションキーを回してもエンジンがかからない…
サーフにバッテリーがあがる要素は無い、
ライトもエアコンも切ってエンジンだけかけていた
燃料も十分入ってるし有り得ない…と思った
運転席から後部座席に振り向きエンジンがかからない旨を説明していたら
私の耳元で女性の笑う声がした
私もパニックだ。
車内もパニック。
その瞬間ランドローバーが木にぶつかりながら唸りを挙げて国道へ飛び出して来たと思ったら走り去ってしまった
私も女の子達も呆然…
まさか人を置いて来たのでは無いのか!と
直ぐにサーフの持ち主へ携帯で連絡を取ったところ
パニクってて何を言ってるのか分からない
何とか落ち着かせて現場に居た9人がランドローバーに乗り込んだと聞いてひと安心しサーフのイグニッションを回すとエンジンがかかったので帰路へついた。
後日談──
結局、私と女の子3人は恐怖で家に帰れず都賀に有るファミレスに日が昇る時間まで一緒に居た。
深夜の出来事は誰も蒸し返さない空気になっていた。
一人づつ家まで送ったが怯えた女の子は終始私にしがみ付いて居て、サーフを返した後に私の家まで着いてきたので嬉しかった覚えが有るw
先輩たちはと言えば、
穴川付近のファミレスで夜を過ごしたらしい
自分の行動と変わらないなと笑えた。
後日会った時に見たランドローバーはリアテールとバンパーがボロボロ…
だけで済んだみたいだった。
私は先輩へ「あの後何が有ったんです?」と聞いたが中々答えてくれない、
しつこく問いただすと
「耳元で婆さんの声がしてテンパった」
「大騒ぎで車に乗り込むとエンジンが止まって更にテンパった」
婆さんの声はその場に居た全員の耳元で聞こえたそうな…。
パニックに為りながらエンジンをかけ続けたら漸くかかり、
木に当たりながらアクセルベタ踏みで逃げた。との事
その2日後に先輩は事故死してしまった為、
仲間内でこの話しはタブーになった。