実際に行った人が語る「日立市諏訪梅林公園（ひたちしすわばいりんこうえん）」の心霊体験

１０年くらい前の３月後半のことです。新しい携帯のカメラを試そうと、諏訪梅林に梅の花を撮りに出かけました。

梅林は側を通る県道に沿って広がっています。道路から見て、右左の端と中間辺りに入口があり、梅林の向こうに数段下がって川が流れ、さらに川の向こうは山で雑木林です。それほど大きくはなく、どこから入っても全体が見渡せます。時刻は平日の夕方４時近く。居るのはわたしだけでした。

私が行った何年か前、梅林内の雑木林で、ホームレスか何かの行き倒れの作業着姿の男性の遺体が見つかったという記事が、新聞の地域面に載ったことがありました。そんな事があったなと思い出しつつ左端の入口から入った私は、川に近い側の道を写真を撮ったりしながら歩いて行きました。

きょろきょろしながら行くと、ふと前方から人が歩いてくるのが見えました。田舎ではよく見る、年齢的に仕事は引退してるけど、私服で作業着を着てる感じの高齢者です。作業ズボンに上は撥水性のありそうな青系の上着で、農協的なキャップをかぶった高齢の男性でした。

こういう場所、ハイキング気分で来てる高齢者とかにわざわざ挨拶をされたりすることがあってそれが面倒なので、普段からあまり人と近づかないようにしています。
一度石段を下って横の川原に降り、男性が通り過ぎたらまた梅林側に上がろうと思ったのですが、川原に降りる数歩の間に、すぐさっきまで見えていた男性の姿が見えなくなりました。別な方に行ったのかな？と、またすぐ梅林の方に上ったのですが、敷地内のどこにも男性の姿はありませんでした。「？」とはなりつつも、あまり考えずに梅林を後にしました。

その頃ウォーキング的なことをしていたので、そのまま市内のかみね公園という所に移動した私は、５時半を回って薄暗くなり所々街灯の灯った園内の山道を上って行きました。
しばらく歩いて途中のカーブにさしかかった時、妙に自分の足音がうるさい気がしました。じゃりじゃりした音というか二重に聞こえる感じなのですが、私以外に歩いている人はいません。そのうちその感じは無くなり、頂上まで上った私は同じ道を下って来ました。

行きに足音が二重に聞こえたカーブをすぎてしばらく下った頃、何の気なしに後ろを振り返りました。すると、カーブにある街灯の光にぼうっと照らされて、人が立っているのが見えました。
作業ズボン、青系の上着、キャップをかぶった高齢の男性です。
「まさか梅林の．．．？」
そう頭によぎりつつしばらく見ていたのですが、男性は突っ立ったまま微動だにしません。
気味悪いしもう行こうと少し歩いたのですが、気になってもう一度振り返ると、男性の姿はありませんでした。

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