これは私が体験した話です。
バイクで女2人と男3人の計5人で美星へ星を見に出かけました。ところが星がなく、代わりに立ち入り禁止の天文台に入ることに。
そこで少し話をした後、帰路につきました。帰っている途中、aさんとbくんが何かを見たと口々に言い出し、「気の正ぢゃろ」と言いながら走り出しました。
さらにaさんはあちこちで何かが見えると繰り返し主張したので、やばいと感じ急いでバイクを走らせました。しばらく休憩を取っていると、ふとバックミラーを見ると後ろに非常に大きな女性が映っていたのです。
驚いて後ろを確認しても誰もいませんでしたが、再びバックミラーを見ると女性は確かにそこにありました。皆に「バックミラーを見て」と呼びかけると、aさん、bくん、cくんは女性を確認できましたが、dくんだけは見えていませんでした。
女性はdくんの右側に立っていました。その後、全員で急いで逃げ出し、ファミリーマートで休憩を取ることにしました。
怖さを共有する中で、「あれは確かに見えたよな」と話していると、突然dくんが「えっ?」と驚いた様子で、右耳からだけ女性の声が聞こえたと言い出しました。dくんはフードをかぶっており、右耳に髪の毛がたくさん付いているのが目に付き、ますます驚かされました。
次にaさんが「追いかけて来てる」と報告し、全員で逃げる決意を固めました。少し走るとセブンイレブンがあり、そこで一旦休憩しました。
その時、dくんが自分のバイクを30枚ほど撮影してみると、まねきんのような物体や焼けた人、さらには青いオーブが写っているのを確認しました。しばらくして、向こうからおばあさんと子供がこちらをじっと見続けているのが分かりました。
aさんとbくんはすぐにその存在を認め、怖さが増したため、ゆっくりと近づいてくるおばあさんと子供を避け、反対側へ全速力で逃げ出しました。しかしその途中、2メートルほどの女性がこちらに向かってくるのを目撃。
結果、挟み撃ちに遭い、おばあさんはすでにバイクの近くまで迫っていました。安全を求め、急いでバイクに乗り込み遥照山トンネルへ入りました。
トンネル内では、女性の声が「返せ!返せ!」と途切れることなく聞こえ、aさんとbくんだけがその声を認識していました。再びファミリーマートで休憩中、「もう来ない来ない! 本当にこえかった!」と話し合っていると、aさんがdくんの方に女性が見えていると告げ、すぐに女性は消えました。
しかし、いきなりdくんの様子がおかしくなり、彼は霊に取り憑かれているように見えました。aさんがdくんの背中を軽く叩くと、突然aさんが倒れて気絶し、耳元から「返して!」という声が聞こえました。
私がaさんの背中をトントンすると、またしてもdくんが霊に取り憑かれ、aさんとdくんはまるでループするかのような異常な状態に陥りました。その後、aさんが取り憑かれているときは気絶し、治った頃には「女が帰りたくない」と繰り返し口にしていました。
一方、dくんは動き回り、目がいかれたり笑ったりするなど、明らかにおかしい状態でした。そして、aさんとbくんも次第に同じ状態に陥りました。
aさんは一点を見つめながら泣き、手を伸ばし続け、bくんは笑いながら同じように手を伸ばし、目がいかれた状態になりました。この状態は朝まで続き、翌日、皆で「謝りに行こう!」と決意し、ファミリーマートで休憩した後、トンネルを抜けるとaさんは立ち上がりました。
なんとか一旦家に戻ることができ、一時間後、dくんから電話があり「aさんがやばい」との連絡を受け、急いでaさんとbくんのいる場所へ向かいました。到着すると、aさんは家に入った瞬間、ハサミを持って手首を切ろうとするなど、体がバラバラになったと語っていました。
aさんは「一緒に行こうか?」と誘い、bくんが一人で行けと拒むと、どうしても連れて行こうとする始末でした。さらに、aさんは「中に入れてあげたい」とも言い、鴨方や金光付近で起きた人身事故の被害者の霊が取り憑いていると告げました。
aさんに取り憑いている霊とbくんが何か話し合ったようですが、最後に女性の霊は横にすっと消え、「あーりーがとっと」と言い残し姿を消しました。初めての体験は夢のようで、実際に体験しないと幽霊の存在は信じられないと思わされました。