実際に行った人が語る「足摺岬」の心霊体験

あれは数年前、家族で墓参りのために里帰りをした時のことでした。
久しぶりにドライブしながら土佐清水を観光してみようという話になり、僕はまずホテルから足摺岬に向かって車を走らせました。
そして到着するとすぐに、駐車場に車を停めて、家族で灯台に向かって遊歩道を歩いて行きました。

私の母は霊感が強い人であり、普段からそういう場所を通ると無意識のうちに霊を見てしまうようです。
また兄はそのいう場所では必ず寒気を感じる人であり、後でその時は灯台に近づくに連れて寒気を感じたと言っていました。

まず灯台に到着した時、母が私達に
「何か気持ち悪い！あそこの茂みの後ろにショートカットの女が立ってた。」
と言い出しました。
僕と父は母が言う方向を見たのですが、そこには誰もいませんでした。
というより、茂みの後ろは断崖絶壁...
誰も立てるはずがありません。

私と父は
「誰もおらんよ。」
と母に返答をし、灯台の方を見ました。
「やっぱ大きな灯台やね!!」
と少し離れた場所から話していると、若いショートカットの女(20代中盤くらい)が灯台の階段近くまで歩き、階段がある部屋へと入って行きました。

本当に久しぶりの帰省だったのと、私達のいる角度から上に繋がる階段の部屋の入り口は死角になっていたため、
「最近転落防止工事をして、上まで行けるようになったんやね。俺らも行ってみようか。」
と話し、私と父は階段の上り口付近まで近づいて行きました。

しかし、階段の上り口の扉には近づけないようになっており、扉はしっかりと南京錠で施錠されていました。

そうです....
上には誰も登れるはずがないのです...

私と父は少し恐くなり、灯台から離れた場所へ逃げました。
そして振り返り灯台を見ると.....
なんとその女が登れるはずがない灯台の窓から四方八方を眺めているではありませんか....

私達は全員急ぎ足で駐車場まで戻りました。

昼間だったので、何も起こらないだろうとタカをくくっていたのですが...
あれは一体なんだったんでしょうか...
そして今でも、その女はその場所で同じことを繰り返しているでしょう。

足摺岬に伝わる七不思議をご存知ですか。これから話すのは七不思議の一つ『地獄の穴』に纏わる体験談です。

数年前に友達数人と高知旅行をしたときのことでした。誰かが足摺岬に行ってみようといいました。私はオカルト好きではありませんでしたが、自殺名所として有名な足摺岬にちょっとだけ興味を持ちました。一体どんな場所なのだろうか、と。

足摺岬までの道中は足摺岬の七不思議について話をしました。岩が密集している場所に小さな穴が開いている場所があり、そこにお金を投げ入れるとチャリンと音を響かせながら金剛福寺まで転がっていくという話です。何故かその穴は『地獄の穴』と呼ばれています。

私たちは足摺岬に着きさっそく地獄の穴を探してみると穴の周りをお地蔵さんが囲んでいて簡単に発見できました。地獄の穴という名前ほど恐ろしい雰囲気はなくどちらかといえば神秘的なスポットのような感じでした。

友人が財布から小銭を取り出して地獄の穴へ投げ入れるとチャリという金属音が聞こえました。穴の中は真っ暗で何も見えませんがおそらくここを訪れた人たちが投げ入れた小銭が山のように積み重なっていたのだと思います。話にあったようにどこまでも転がっていく感じはなく、貯金箱にお金を入れたときのように小銭と小銭がぶつかる音が聞こえただけでした。

七不思議はあくまで都市伝説のようなもの。縁起物だと考えて私も小銭を地獄の穴へ落としました。ところが小銭が落ちた音が聞こえません。さっきはすぐにチャリという金属音が聞こえたのに。

上手く小銭の山に乗らずに変なところへ行ってしまったのだろうか。私はもう一度小銭を放り込みました。今度はちゃんと硬貨のぶつかる音が聞こえました。しかし随分と深い場所まで落ちたような気がしました。それに音も心なしか小さかったような。

旅行から帰り家族にその話をすると、私がまだ幼い頃ですが親戚の一人が自殺したことを教えてくれました。その方は高知へ行くとだけ伝えて行方不明になったそうです。『地獄の穴』は地獄に落ちた祖先を救うためにあるらしいです。地獄まで繋がっているから地獄の穴。

亡くなった親戚の方と私が投げ入れた小銭の音が変だった事はもしかしたら関係があるのかもしれません。