私が、年末に地元出雲市に帰った時の話です。その日は友人2人と私の3人で、1日過ごしていました。
その日は、31日年越しはどこで過ごすかという話で、盛り上がっていました。
ある時、友人の1人が日御碕神社で年越しをしようと言い出しました。
私は、あまり行きたくはなかったのですが、友人2人はとても行きたそうにしていました。
私も、その場の空気に任せて日御碕神社へ向かうことにしました。
日御碕神社に向かう道中には、有名な心霊スポットかもめ荘があり、島根県に住んでいる人ならほとんどの人が知っています。
私たちも、かもめ荘の話をしながら、日御碕神社に向かっていました。
運転をしていた友人が、急にハンドルを切って砂利道に入り始めました。
その砂利道の先は森が開けた広場が広がっていました。友人は、車を降りて、森へと続く一本道に歩いて行きました。
一本道の先には、大きな建物が建っていました。それまで、一言もしゃべらなかった友人が一言、「かもめ荘」と発しました。
私は、日御碕神社へ向かおうといいましたが、私の言葉は彼らには、全く届きません。
友人2人は建物の中へと入っていきます。
私は外で待っていようとしましたが、一人で待つのも怖かったので、なくなく付いていくことにしました。
かもめ荘の中は、何もなく瓦礫やごみがあるだけでした。
何分か探索して、屋上に出ました。
ほんとに何も起こらずネットの噂は嘘ばかりだなとみんなで話していました。
帰りは、屋上から1階に続く階段を歩いて降りていました。
あたりはとても静寂が広がっていました。
1階に付き記念に写真を撮りました。
カシャとフラッシュが瞬きました。
その時からです。
私たちの降りてきた階段から、コツン…コツン…コツン…コツン…明らかに人が階段を降りてくる音が、聞こえてきました。
友人の1人が「これはやばい誰か来てる」と言います。
一本道を走って帰り、車に乗り込みました。
車に乗っても友人は「やばいやばいと早く逃げよう」と言うばかり、早く人のいる場所にというので、急いで日御碕神社へ向かいました。
日御碕神社に付き友人も落ち着き車から降りました。
私たちは何もなかったかの様に年を越し、お参りをしました。
ひと通りお参りを終えて、車へ行きました。友人が「え⁉」とびっくりした声で、私たちに話します。
車を見ると…無数の手形が砂埃に沿ってついていました…
その時は怖くてその友人と話せませんでしたが、後日その時の話を詳しく聞くと、かもめ荘で写真を撮った後から無数の何かが、私たちについてきている気配を感じていたそうです。
ちなみに彼はいままで、霊を一度も見たことはないそうです。